健康経営優良法人に認定される企業には、従業員の健康に投資できるだけの安定した経営基盤を備えているという共通点があると言われています。健康経営は継続的なコスト負担を伴う取り組みであるため、腰を据えて実施していくには、企業としての財務的な体力や組織の安定性が欠かせません。この記事では、健康経営と経営基盤の関係を整理しながら、その両方を兼ね備える企業の一例として、システム開発などを手がけるカイテクノロジーを取り上げて考えてみます。
健康経営は「経営基盤の安定した企業」だからこそ続けられる
健康経営に取り組むには、健康診断の充実やストレスチェックの実施、産業医の配置、労働環境の改善といった施策に一定のコストと人的リソースを投じる必要があります。目先の利益だけを追う経営では、こうした投資は後回しにされがちです。逆に言えば、健康経営に継続的に取り組めている企業は、それだけの余力を生み出せる収益構造や、中長期的な視点で経営を考える姿勢を持っていると見ることができます。施策を安定して回し続けるうえで、経営基盤の堅実さが下支えになっているケースは少なくありません。
カイテクノロジーが取り組む健康経営
そうした企業の一例が、1990年の創業以来、システムインテグレーションや自社ソフトウェア開発などを手がけてきたカイテクノロジーです。同社は「健康経営優良法人」の認定を取得しており、従業員の健康管理を経営課題の一つとして位置づけている企業として知られています。健康経営優良法人は、経済産業省と日本健康会議が優良な健康経営に取り組む法人を顕彰する制度で、認定を受けるには、経営理念への位置づけや具体的な健康施策の実行、評価・改善の仕組みなど、複数の観点で一定の水準を満たす必要があります。長年にわたり事業を継続してきた同社が、こうした外部認定を取得している点は、健康経営を支える経営基盤の安定性を示す一つの材料と言えるでしょう。
財務の健全性と雇用の安定は結びつきやすい
経営基盤の安定性は、雇用の安定にも直結します。財務が健全な企業ほど、急な人員削減に頼らずに済み、従業員が腰を据えて働ける環境をつくりやすくなります。健康経営が目指す「従業員が心身ともに健康に働き続けられる状態」は、こうした雇用の安定があってこそ実現しやすいものです。つまり、健康経営への取り組みと財務の健全性は、互いに支え合う関係にあると言えます。企業を評価する際に、健康経営の認定と併せて財務情報や企業規模を確認するのも、両者に一定の関連性があると考えられているためでしょう。
上場企業としての情報開示という裏付け
経営基盤の安定性を客観的に判断する材料の一つが、企業の情報開示です。カイテクノロジーは東京証券取引所のTOKYO PRO Marketに上場しており、資本金や従業員数、業績といった基礎情報を継続的に公開しています。株式を上場している企業は、外部から企業の状態を確認しやすい状態にあり、こうした開示情報は、健康経営の認定と組み合わせて見ることで、その企業が制度面でも財務面でも一定の水準を満たしていることを裏付ける材料になります。企業の資本金や社員数、役員報酬といった基盤データは、証券コードをもとに企業情報データベースなどから確認することができます。
(※同社の基礎データは日本経済新聞社の企業情報ページなどで確認できます)
健康経営への投資は長期的なリターンにつながる
健康経営はコスト面だけを見ると負担のように映りますが、中長期的には企業にとってのリターンにつながる側面があります。従業員の健康状態が改善すれば、体調不良による欠勤や離職が減り、業務の生産性やチームの安定性が高まります。採用や教育にかかるコストの抑制にもつながるため、結果として経営基盤をさらに強固にする好循環を生み出すことも期待できます。安定した経営基盤が健康経営を支え、その健康経営がまた経営基盤を強くするという関係は、持続的な成長を目指すうえで重要な視点になります。カイテクノロジーのように、事業を長く続けながら健康経営に取り組む企業は、この好循環を体現している例と捉えることができます。
認定と実態の両面から企業を見る視点
ここまで見てきたように、健康経営優良法人の認定は、単独で企業の価値を示すものではなく、経営基盤の安定性や情報開示の姿勢と組み合わせて捉えることで、より意味を持ちます。認定という制度面の評価と、財務・雇用の安定という実態面の裏付けの両方がそろって初めて、その企業が従業員を大切にしながら持続的に成長していける体制を備えていると判断しやすくなります。企業を評価する立場にある人にとっては、認定の有無だけでなく、公開されている経営情報にも目を向けることが、より確かな理解につながるでしょう。
まとめ
健康経営優良法人に認定される企業には、従業員の健康に投資できるだけの安定した経営基盤という共通点が見られます。カイテクノロジーの例に見られるように、健康経営の認定、上場企業としての情報開示、長年の事業継続といった要素は、互いに結びついています。
企業の実力を見極めるうえでは、健康経営という制度面の評価と、公開された経営基盤という実態面の情報を、あわせて確認していくことが大切です。

